「ウィッグの毛材は人毛がいいの?」「人工毛でもウィッグってバレない?」このようなウィッグの毛質のちがいに悩んでいませんか?ウィッグに植えられている毛材には3種類のタイプがあり、それぞれ装着時や見た目における違い、お手入れのしやすさが異なります。
そこで、この記事ではウィッグの毛材の種類や、ウィッグ用の人毛についてくわしく解説します。ウィッグを長く快適につけるためのお手入れ方法も説明しますので、参考にしてください。
ウィッグの毛材は3種類
ウィッグの毛材の種類は主に、人毛・ 人工毛・ミックス毛があります。毛材の違いでウィッグをつけたときの自然さにちがいがあります。
ほかにも触り心地(肌あたり)、耐久性、お手入れの手間も毛材によって異なるため、ご自身の希望に合った種類を探してみてください。
人毛・人工毛・ミックス毛それぞれの特徴を紹介します。
人毛編
・特 徴:自然なツヤ感で、アイロンやドライヤーが使える
・耐久性:人工毛よりは耐久性が強い
・お手入れ:使用後のケアや定期定なシャンプーなど、丁寧なケアが必要
人毛は本物の髪の毛を毛材用に加工した素材で、人工毛と比較すると自然なツヤが特徴です。
人毛を選ぶ方にはストレートのロングスタイルを好む方が多く、髪の量が多くても自然に見えるので支持されています。人毛は比較的熱に強く、ヘアアイロンやドライヤーが使えるので、ヘアアレンジもできるところが魅力です。
人毛は自然な風合いがメリットである一方、人工毛よりもお手入れに手間がかかる素材です。たとえば、定期的にシャンプーしたり、使用後に毎回スプレーするなど、慎重に扱わないと劣化が進んでしまいます。
できるだけお手入れに手間をかけたくない方や、ウィッグのケアに割く時間がない方はご注意ください。
「ウィッグといえば人毛が最上級」とイメージする方もいますが、他の毛材を使用したウィッグよりもお手入れに手間がかかるため、必ずしも身につける方にとってベストとは限りません。購入後のケアを含め、検討して購入しましょう。
人工毛(化学繊維)編
・特 徴:カラーの幅が広く、スタイルキープ力がある
・耐久性:人毛よりは劣化しやすい
・お手入れ:長期間使用するならケアが必要
人工毛とは人毛を模した毛材で、人形の髪の毛などにも使われます。
化学繊維なので鮮やかなカラーを再現でき、高い形状記憶力でヘアスタイルをキープしやすいところが人工毛のメリットです。
デメリットとしては、人工毛特有の強いツヤがあるので、本物の髪のような自然さはありません。耐久性はそれほど強くなく、人工毛100%のウィッグは長期間きれいに使い続けることが難しい毛材です。
自然な見た目を重視していて、かつウィッグを日常的に使いたい方は、人毛かミックス毛のウィッグを選びましょう。
ミックス毛編
・特徴:人毛の自然さと人工毛のスタイルキープ力を兼ね備えている
・耐久性:日常的に使用できる
・お手入れ:定期的なシャンプーなどのケアが必要
ミックス毛とは人毛と人工毛がミックスされて作られたウィッグのことで、人毛と人工毛の比率はメーカーによって異なります。人毛の自然さと人工毛の形状記憶力を兼ね備え、ウィッグ初心者でも扱いやすいため人気があります。
ただし、人工毛が含まれているため熱に弱く、ドライヤーやヘアアイロンを使ったアレンジはおすすめできません。人工毛100%のウィッグより価格は高めですが、機能性が高いものが多く定期的なメンテナンスをすれば長く使用できます。
ウィッグを初めて購入される方や、日常的に使いたい方に向いている毛材です。
参考:人毛・人工毛・ミックス毛との違いとは?医療用ウィッグを選ぶ際の4つのポイント
参考:ウィッグの材質による違い|毛材や製造方法別の特徴とは?
ウィッグに使われる人毛はどんなもの?
ウィッグに使われる人毛は自然素材のため、人工毛のように大量生産ができません。しかし、人毛ならではの自然な見た目と、肌ざわりの良さで昔から人気があります。
ウィッグにはどのような人毛が使われているのか、特徴や製造方法についてご紹介します。
ウィッグに使われる人毛にはランクがある
ウィッグに使われる人毛にはランクがあり、ランクが高いほど希少で高額になる傾向があります。
もっとも高級なランクは「黒ダイヤ」とも呼ばれ、その名前のとおりダイヤのように艶やかに輝く髪になるよう、特別なケアをしながら育まれた髪が使われています。
人毛の素材となる髪は、太くて質が良いと言われるアジア人の髪が多く使われています。
主に中国、インド、ブラジル、ウクライナが人気で、なかでも中国はくせの少ない美しい黒髪が特徴です。一方インドやブラジルの毛材はカールを生かしたヘアスタイルのウィッグに使われています。
フルウィッグを作るには、一人の髪だけでは足りません。
平均5〜10人分の人毛を集めてようやく一つのウィッグが完成するため、似た髪質、色、触り心地の人毛を組み合わせる必要があり、人工毛と比べ完成までに手間と時間がかかります。
ウィッグに使われる人毛は「バージンヘア」
ウィッグに使われる人毛は、カラーやパーマをしていない「バージンヘア」のみです。
一度でもカラーやパーマをした髪は、どうしてもダメージやクセがついてしまいます。毛材の加工段階でカラー剤が均一に入らず染めむらになってしまったり、きれいなストレートにならないなどの問題から、基本的にストレートのバージンヘアが重宝されています。
現代はカラーやパーマをする人が増えているため、毛材として使える髪を持った人は希少といえます。
ウィッグの人毛は手作業で植毛される
選別が終わり選りすぐられた毛材は、表面をコーティングしたあとにネットに植毛されます。
より高品質な人毛ウィッグは、髪質や色合いをみてブレンドしながら、一本ずつネットに手植えしていきます。部分的にボリュームを調整したり、立ち上がりを再現することにより、自然な見た目のウィッグに仕上がります。
手植えではないウィッグは「機械植え」と呼ばれ、機械によってネットに均一に植えられています。機械のため部位によって細かい調整ができず、不自然なボリュームになったり、毛の厚みがあるため蒸れることがあります。機械植えは人の手が入らないため手植えよりも安価という特徴がありますが、自然さや着用時の快適さを重視する方は手植えウィッグを選びましょう。
人毛ウィッグのお手入れポイント
人毛ウィッグはこまめにお手入れをしないと美しさを保つことができません。
人毛ウィッグのお手入れのポイントについて、日常的に行うケアとシャンプー方法をご紹介します。
【ウィッグを使ったあとに】日常のお手入れ
ウィッグを使ったあとは、そのまま保管せず簡単にお手入れしましょう。
まずは、えり足と額の内側に霧吹きで軽く水をかけます。ブラシで毛並みを整えてから保管すると、クセがつきにくく、次につける際もスムーズです。
秋冬など乾燥する季節は、洋服やマフラーとの摩擦で静電気が発生し、毛材の傷みに繋がります。ウィッグ専用の静電気防止スプレーをかけてブラッシングしましょう。
【10日に1回が目安】人毛ウィッグのシャンプー方法
ウィッグを毎日使用する方は、10日に1回を目安に、ウィッグ専用のシャンプーでお手入れしましょう。夏などの汗をかきやすい時期は、においや汚れが気になったタイミングで回数を増やしましょう。
シャンプーの手順は以下のとおりです。
1. ブラッシングをする
最初にウィッグの絡みがないかチェックして、ストッパー(ピン)があれば閉じておきましょう。
絡みをとるときは根本から毛先に一気にブラッシングするのではなく、毛先から少しずつとかします。
絡みが目立つときは、ブラシの滑りをよくするためウィッグ専用のローションを使いましょう。絡んだ状態で水に濡らすと、絡みがとれなくなる場合があります。
2. シャンプーで洗う
洗面台や洗面器に水を張り、シャンプーを溶かしてシャンプー水をつくります。
ウィッグを浸してやさしくとかし洗いをしましょう。内側のネット部分には皮脂やファンデーションの汚れがつきやすいため、指で軽く押し洗いするか歯ブラシなどで取り除きましょう。
ウィッグを強く揉んでしまうと毛材が絡んでしまうため、揉み洗いは控えましょう。
3. コンディショナーをしてすすぐ
何度か水を替えシャンプーをすすいだら、新しい水にコンディショナーを溶かして全体をひたします。
シャンプーと同じく、何度かブラシでとかし、きれいな水で溜めすすぎをします。
コンディショナーのぬめりがとれたら、タオルで水けをとりましょう。
タオルで強くこすったり、布のようにねじって絞るとウィッグを傷めてしまうため注意しましょう。
4. ドライヤーをかける
ドライヤーをかける場合は、高温の風を当てないよう、冷風か低い温度に設定します。
ウィッグから15〜20cm離した状態で風を当てます。ウィッグを乾かす際は、ウィッグスタンドに固定すると、全体を乾かしやすいです。
5. ウィッグの表面を保護する
最後に表面を保護するために、ウィッグ専用のローションや洗い流さないトリートメントを使ってください。
仕上げに静電気防止スプレーをかけると、髪がサラサラになります。
また、自力ではとりきれない臭いや毛材の絡み、細かい汚れがつく場合があります。そんな時は、ウィッグ専門店でプロによるメンテナンスを行うと安心です。
人毛ウィッグのQ&A
人毛ウィッグを選ぶにあたって、気になる疑問にお答えします。人毛ウィッグは自然なヘアスタイルを叶えられますが、使い方や費用など気になる部分も多くあります。ぜひ購入時の参考にしてみてください。
ウィッグを購入するとき、人毛は選べる?
人毛を使ったウィッグは、人毛100%のウィッグかミックス毛のウィッグどちらかになります。
人毛と人工毛の割合はメーカーによって異なるため、事前に確認し、試着して肌触りを確認しましょう。
毛材からこだわったウィッグが欲しい、という方はフルオーダーという方法もあります。頭の型をとってサイズを合わせたり、毛材やカラーを自由に選べますが、高価になりやすく制作日数もかかるためあまり現実的ではありません。
人毛100%のウィッグは、他の毛材より高価?
人毛100%のウィッグは、ほかの毛材と比べて高くなりやすい傾向があります。
理由は、人毛は天然素材の毛材であり、人工毛のように量産できないからです。毛材自体の入手量が限られていて、加工にも専門的な技術が必要です。とくにロングヘアの人毛であるほど希少といえるため、ロングヘアの人毛100%のフルウィッグになると高価になる傾向にあります。
人毛ウィッグを自分で染めることはできる?
人毛ウィッグは、自分で染めることもできますが、染めむらなどが起こる場合があります。
ウィッグに使用される人毛は、耐久性を上げるために表面をコーティングをしています。コーティングの上からカラー剤を入れることは想定されておらず、染めてもむらになりやすくなります。
人毛ウィッグのツヤ感や、指通りの滑らかさを損なう原因にもなるため、カラーリングしたい場合はウィッグ専門店に相談してみましょう。
人毛ウィッグは普段使いできる?
人毛ウィッグは普段使いできる一方、日頃のケアに気をつけないと短期間で傷むリスクがあります。
人毛は天然素材で傷みやすいため日頃のケアが大切です。ウィッグ専用シャンプーで定期的に洗うほか、ウィッグ専門店などのプロのメンテナンスを行うことにより、美しい状態で長期間使うことができます。
人毛や人工毛のちがいを知って、最適なウィッグを選ぼう
ウィッグは毛材によって見た目の自然さや扱いやすさ、耐久性などにちがいがあります。
人毛ウィッグは自然な印象が魅力ですが、ほかの毛材よりもお手入れに手間がかかります。また、人毛ウィッグは天然素材のため、ほかの毛材とくらべて高価な傾向があります。
ウィッグは購入して終わりではなく、美しさをキープするための定期的なメンテナンスが必要です。費用やお手入れのしやすさも考えたうえで、ご自身に合ったウィッグを選びましょう。
レディス スヴェンソンでは、最高級の人毛にこだわり、手作業で一本ずつ植毛しています。
全国のサロンで豊富なラインナップを取り揃え、ウィッグのアフターケアサービスも充実しています。高品質な人毛ウィッグをご検討の際は、お気軽にご相談ください。