「ウィッグを使っているけれど、自分好みにアレンジするのが難しい」「アイロンをかけてもすぐにスタイルが崩れてしまう」そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、プロが伝授するウィッグのアイロンスタイリングの秘訣を詳しく解説します。ウィッグの種類別のアイロンテクニック、アイロン温度設定や当て方のルール、そして理想のスタイルを作り出す方法、よくある失敗とその対策まで、あなたのウィッグライフが一変する情報満載です。
さらに、ウィッグを長持ちさせるためのアイロン後のケアと保管のコツもお教えします。ウィッグをさらに楽しむためのヒントを得て、理想のスタイルを手に入れましょう。
アイロンが使えるウィッグの特徴と傷む原因

ウィッグをアイロンでスタイリングする際に、まず確認すべきはそのウィッグがアイロンに対応しているかどうかです。
すべてのウィッグがアイロンに対応しているわけではないため、耐熱性のないウィッグにアイロンを使ってしまうと、毛材を傷める原因になります。
ここでは、アイロンの使用でウィッグが傷む原因と当て方のコツを詳しく解説します。
アイロンが使えるウィッグの特徴
ウィッグの耐熱性は、使用されている毛材で決まります。主に、人毛ウィッグと耐熱ファイバーウィッグがアイロンの使用に適しています。
人毛ウィッグは、その名の通り人の髪を加工して作られているため、基本的に自分の髪の毛と同じようにアイロンを使用することができます。ただし高温や頻繁な使用は、ウィッグの劣化を早める原因となるため注意が必要です。
耐熱ファイバーウィッグは、人工的に作られた毛材(化学繊維)ですが、耐熱加工が施されているためアイロンやコテの使用が可能です。
ウィッグがアイロンで傷む原因
ウィッグが傷んでしまう主な原因は、以下の3つです。
● 高温
ウィッグの毛材は、どの種類でも高温に長時間さらされるとダメージを受けます。とくに人工毛(化学繊維)はポリエステルやナイロンなどの化学繊維で作られていることが多く、耐熱温度を超えると縮れたり溶けたりする可能性があります。
毛材が変形すると見た目にも影響しますので、ウィッグの取扱説明書やメーカーのHPで必ず耐熱温度を確認してからアイロンを使用しましょう。
● 摩擦
アイロンをかける際に、ウィッグの毛材同士が擦れると、キューティクルが剥がれたり、毛先が枝毛になりやすくなります。毛材がパサつきがちになり、絡まりやすくなったりする場合があります。
アイロンを使用する時はウィッグ専用のブローローションや、毛材に水分を与えて保湿するトリートメントを使って、ウィッグをケアすることが大切です。
● 引っ張り
アイロンで毛束を挟んだ際、毛材を必要以上に引っ張ってしまうと、ウィッグの毛材が抜けたり毛材が植えられているネットが破れる原因になります。強く引っ張らないように注意しながら、慎重にスタイリングを行いましょう。
これらの原因を理解し対策を講じることで、ウィッグをより長く、美しく保つことができます。
ウィッグを傷めないアイロンのコツ
ウィッグにアイロンを当てる際は、以下の点に注意しましょう。
● アイロンをスピーディーに当てる
同じ場所に長時間アイロンを当て続けると、ウィッグが傷む原因になります。手早く、できるだけ均一に熱を加えるように心がけましょう。
● アイロンを慎重に当てる
毛材を引っ張らないように注意しながら、力を入れずやさしくアイロンを滑らせるようにしましょう。
● アイロンで挟む毛束を小分けにする
アイロンで毛束を挟む際は、一度にたくさんの毛材をとらず、少量ずつ丁寧にスタイリングしましょう。
これらのポイントを守ることで、ウィッグへの負担を最小限に抑えながら、理想のスタイルを実現できます。
【プロ直伝】ウィッグ毛材別アイロンテクニック

ウィッグのスタイリングは、毛材によって適切なアイロンの使い方が異なります。
ここでは、人毛ウィッグ、人工毛ウィッグのそれぞれの特性に合わせた、プロならではのアイロンテクニックと注意点をご紹介します。
人毛ウィッグにアイロンを使用する場合
人毛ウィッグは、人の髪をコーティングした毛材で自然な質感が魅力です。
しかし、デリケートな素材なのでダメージを最小限に抑えるスタイリングが重要になります。
● アイロンの温度設定
人毛なので人間の髪と同じく180℃程度まで使用できますが、過度な高温はダメージの原因となります。100~130℃程度を目安に、ウィッグの状態を見ながら温度を調整しましょう。
● アイロンの当て方
クセが付いている場合は、アイロンを当てる前にウィッグ全体を軽く湿らせておくと直りやすくなります。
● アイロン使用時のスタイリング剤
人毛ウィッグにアイロンを使用すると、乾燥してパサつきがちになります。人毛用の保湿効果の高いスタイリング剤を使用すると、ウィッグの潤いを保ち、ダメージを軽減できます。フラウ ウォーターベースローションは、保湿効果のあるウィッグ用のブローローションです。毛束をとって1プッシュしてからアイロンを当てると、毛材の乾燥を防ぐことができます。
ミックス毛ウィッグにアイロンを使用する場合
ミックス毛ウィッグは、人毛と人工毛(化学繊維)がミックスして作られています。
人毛のほかに人工毛も混ざっているため、アイロンのスタイリングに失敗しやすいというリスクもあります。取扱説明書やメーカーのHPを確認し、アイロンが使えるかどうかを事前に確認しておきましょう。
● アイロンの温度設定
人毛と同じく100℃~130℃程度を目安に、はじめは低温でスタイリングしましょう。高温はウィッグの変形やテカリの原因になります。
● アイロンの当て方
アイロンを当てた後はカールした毛束をやさしく持ち、持ち上げた状態で冷ますことによってスタイルがキープされます。ブラッシングする場合は、アイロンの熱が冷めてからにしましょう。
● アイロン使用時のスタイリング剤
人毛と同じく、フラウ ウォーターベースローションがおすすめです。潤いとツヤを与え、滑らかな手触りに仕上げます。
スタイル別!ウィッグのアイロンスタイリング
ウィッグのスタイリングは、ちょっとしたコツを掴むだけでまるでプロがセットしたかのような仕上がりになります。
ここでは「ストレート」「巻き髪」「前髪」といった、アイロンを使いたいスタイル別に、ウィッグをスタイリングするテクニックを詳しく解説します。
アイロンで「さらツヤストレートウィッグ」

ストレートウィッグはそのままでも美しいですが、アイロンを当てることでさらに自然で美しいさらツヤ髪に近づけることができます。
アイロンを当てる前に、ブラッシングしてスプレーやオイルを軽く吹き付けるのがおすすめです。アイロンのダメージからウィッグを守ることができます。
1. ウィッグをスタンドに固定し、少量ずつ毛束を取り分けます。
2. アイロンを適切な温度に設定し、毛束の根元から毛先に向かって滑らせます。一気に力を加えず、ゆっくりとやさしくアイロンを滑らせるのがポイントです。
3. 内側、外側と交互にアイロンをかけることで、より自然なストレートヘアに仕上がります。
4. ウィッグ全体にヘアオイルを馴染ませて仕上げると、さらにツヤ感が増し、美しいストレートヘアが完成します。
アイロンで「ふんわり巻き髪ウィッグ」

アイロンで巻き髪を作れるようになると、スタイリングの幅が広がります。
基本的な巻き方でも、普段使いからパーティーシーンまで幅広く対応できます。巻き方によって大きく印象が変わるので、色々な巻き方をマスターして、ウィッグスタイリングを楽しみましょう。
1. ウィッグをスタンドに固定し、巻きたい部分の毛束を取り分けます。
2. アイロンを適切な温度に設定し、毛束を挟みます。
3. 内巻き、外巻きを交互に繰り返すことで、自然なニュアンスのカールを作ることができます。毛先を逃がすように巻くと、ふんわりとした柔らかい印象になります。
4. 巻き終わったら手ぐしで軽くほぐし、ウィッグ専用のスタイリング剤でキープします。
巻き髪のバリエーションとしては、波ウェーブ、ミックス巻き、スパイラル巻きなどがあります。なりたいイメージに合わせて、巻き方を変えてみましょう。
アイロンで「華やか前髪ウィッグ」

前髪を変えると手軽にイメチェンできますが、カットしなくてもアイロンのスタイリングで変化をつけることができます。とくに、前髪の立ち上げや顔周りの毛流れを意識することで、より一層自然な仕上がりになります。
1. 前髪の根元部分を軽く湿らせます。
2. ドライヤーとブラシを使って、根元を立ち上げるように乾かします。
3. アイロンを適切な温度に設定し、軽く内巻きにします。
4. 顔周りの毛流れを整え、ウィッグ専用のスタイリング剤でキープします。
前髪ウィッグのスタイリングで重要なのは、自然な毛流れを作ることです。
アイロンをかける際は、力を入れすぎず軽く滑らせるように意識しましょう。また、スタイリング剤はつけすぎるとベタついてしまうので、少量ずつ馴染ませるようにするのがポイントです。
【お悩み解決】ウィッグのアイロンスタイリングでよくある失敗と対策

アイロンの熱でウィッグがチリチリになってしまった
ウィッグのアイロン焼けは、ウィッグを台無しにしてしまう悲しい失敗です。
主な原因は設定温度が高すぎるか、同じ部分にアイロンを当て続けたことによるものが多いです。とくに、耐熱温度が低いウィッグに高温のアイロンを使用すると、すぐに変色や変形が起こります。
● アイロン焼けの対処法
軽度の焦げつきは、毛材が冷めるまで待ち目の細かいコームでやさしく梳かして、焦げつき部分を取り除きます。
重度の焦げつきは、残念ながら修復は困難です。焦げついた部分をカットするか、新しいウィッグへの買い替えを検討しましょう。
● アイロン焼けの予防策
温度設定を必ず守り、ウィッグの素材に合わせた適切な温度で使用しましょう。耐熱ウィッグでも、100~130℃程度の低温から試すのがおすすめです。
また、同じ部分にアイロンを当て続けず、滑らせるように手早く動かしましょう。ウィッグとアイロンの間に薄い布を挟み、当て布をすることも効果的です。
アイロンでスタイリングしても長持ちしない
「せっかくアイロンで綺麗にスタイリングしたのに、時間が経つと崩れてしまう」
そんなお悩みには、スタイリング剤選びが重要です。ウィッグの種類や作りたいスタイルによって、適したスタイリング剤は異なります。
● スプレー
キープ力が高く、全体的なシルエットを固定するのに適しています。ふんわりした巻き髪ウィッグ、前髪を立ち上げたスタイリングにおすすめです。選び方のポイントとしては、ハードタイプ、ソフトタイプなどキープ力で選びましょう。
ウィッグ専用のスタイリングスプレーは、毛材を傷めずおすすめです。
● バーム
自然な束感や動きを出しやすく、しっとりとした質感に仕上がります。ストレートウィッグや、ウェットな質感のパーマウィッグにおすすめです。選び方のポイントとしては、オイルが配合された、ウィッグをしっとりさせる効果がある成分で選びましょう。
レディススヴェンソンでは、ウィッグ専用のスタイリング剤もご用意しています。
詳細は後述の「ウィッグの美しさをキープ!レディススヴェンソンのスタイリング剤」をご覧ください。
アイロンでウィッグがパサついてしまった
ウィッグの毛材は、地毛と比べて乾燥しやすく、パサつきやすいのが難点です。
とくに、アイロンを頻繁に使用する場合は、より一層の保湿ケアが重要になります。
ウィッグがパサつく原因としては、アイロンを当てた熱による乾燥や、アイロンで挟んだことによる摩擦のダメージ、表面が乾燥して静電気が起こりやすくなるなどがあります。
解決策としては、ウィッグのシャンプー後にアウトバストリートメントを使用したり、ウィッグ専用のツヤだしスプレーを使用して静電気を防止するのがおすすめです。
日々のケアを丁寧に行うことで、ウィッグのパサつきを抑え、美しい状態を長く保つことができます。
ウィッグの美しさをキープ!レディススヴェンソンのスタイリング剤
ウィッグのスタイリングを長持ちさせ、美しさを保つためには、適切なスタイリング剤の選択が不可欠です。
ここでは、レディススヴェンソンが提供する、ウィッグ専用に開発されたおすすめのスタイリング剤をご紹介します。これらの製品は、ウィッグの毛材を傷めることなく、理想のスタイルをキープし、美しい状態を保つために特別に設計されています。
スタイルキープに!シュワルツコフ シルエットハードミスト

シュワルツコフ シルエットハードミストは、ウィッグのスタイルを長時間キープするために開発されたスタイリング剤です。
強いスタイルキープ力がありつつ自然な仕上がりで、ウィッグに負担をかけずにスタイルの崩れを防ぎます。とくに、ウィッグのカールやウェーブを維持したい場合や、ヘアアレンジ後のスタイルを長時間保ちたい場合に最適です。ウィッグ全体に均一にスプレーすることで、一日中美しいスタイルを保つことができます。
ブローするときの相棒!フラウウォーターベースローション

フラウ ウォーターベースローションは、ウィッグをブローする際に使用することで、毛材を損傷から守り、毛流れを整えスタイリングをしやすくする効果があります。ウィッグに潤いを与え、乾燥を防ぎながら、滑らかな手触りに仕上げます。
ウィッグのクセなおしや地毛にも使うことができます。
ツヤサラなヘアに!フラウ ヘアルーセントスプレー

フラウ ヘアルーセントスプレーは、ウィッグに自然なツヤを与え、サラサラとした手触りに仕上げるためのスプレーです。
ウィッグの表面をコーティングし、静電気を防ぐ効果もあります。スタイリングの仕上げに軽くスプレーすることで、ウィッグの美しさを引き立て、より自然な印象を与えることができます。また、ウィッグの絡まりを防ぎ、日々のケアを楽にする効果も期待できます。
ウィッグを長持ちさせる!アイロン後のケアと保管のコツ

ウィッグをアイロンでスタイリングした後のお手入れは、ウィッグを長持ちさせるために非常に重要です。適切なお手入れと保管方法を実践することで、ウィッグの寿命を延ばし、美しい状態を保つことができます。
ウィッグをアイロンでスタイリングした後のケア
アイロンを使用した後のウィッグは、熱や摩擦によって多少なりともダメージを受けています。以下の手順で丁寧なケアを行いましょう。
1. ブラッシング
目の粗いブラシで、ウィッグの毛先からやさしくブラッシングします。絡まりがある場合は無理に引っ張らず、少しずつほぐしながらブラッシングしてください。
2. シャンプー
常温の水を溜め、ウィッグ専用のシャンプーを溶かしブラシでとかしながら洗います。ファンデーションや皮脂がつきやすい顔周りのネットは、ゴシゴシとこすらず押し洗いしましょう。毛材が抜ける原因になるので、すすぐときは流水ではなく水を溜めてすすぎましょう。
3. コンディショナー
シャンプーと同じように、常温の水にウィッグ専用のコンディショナーを溶かします。ブラシでやさしくとかしながら、毛先中心になじませます。すすぐときは溜めすすぎをします。
4. 乾燥
タオルで挟むように水気を拭き取り、ウィッグスタンドにかけて自然乾燥させます。
人毛ウィッグでドライヤーを使用する場合は、低温設定で使用しウィッグから20cm以上離して風を当ててください。
ウィッグのチリつきが気になる場合は、ウィッグ専用のアウトバストリートメントを活用するのも効果的です。シャンプー後のウィッグにトリートメントをなじませ、自然乾燥しましょう。
ウィッグをアイロンでスタイリングした後の保管方法
ウィッグを保管する際には、以下の点に注意しましょう。
● 型崩れ防止
ウィッグスタンドを使用し、ウィッグのスタイルを保ちながら保管します。スタイルの崩れを防ぐことで、次に使用する際もスタイリングがしやすくなります。
● 紫外線対策
髪の毛も肌と同じく紫外線によりダメージを受けます。直射日光の当たる場所を避け、日の当たらない場所に保管しましょう。
● 湿気対策
風通しの良い場所に保管し、湿気を避けます。湿気はカビの発生やウィッグの傷みの原因となります。保管の際は、防塵カバーや専用ケースを活用し、ホコリや湿気からウィッグを守りましょう。
長期間使用しない場合は、購入時のネットや袋に入れて保管すると、より型崩れを防ぐことができます。
ウィッグを長持ちさせるための秘訣
ウィッグを長持ちさせるためには、日々のケアに加えて、定期的なメンテナンスが欠かせません。
レディス スヴェンソンでは美しい状態のウィッグを使い続けるためのメンテナンスサービスが充実。日頃のシャンプーでは落としきれない気になるニオイを除去したり、毛材のツヤを復活させるメニューなどを取り揃えています。
プロの手によるケアを定期的に行うことで、ウィッグの寿命を延ばし、いつでも美しいスタイルを楽しむことができます。ウィッグを購入する際は、このようにプロのメンテナンスサービスが利用できるお店を選ぶと安心です。
アイロンでスタイリングして、ウィッグをもっと楽しもう!
この記事では、アイロンでのスタイリング方法や当て方のコツ、アイロンを使ったスタイリングテクニック、アイロン後のケア、スタイリングに便利なグッズまで、幅広くご紹介しました。
ウィッグに使われる毛材には、耐熱温度があります。
アイロンを使用する前は、必ず取扱説明書やメーカーのHPで耐熱温度や、アイロンが使えるかどうかを確認しましょう。
耐熱性のない毛材のウィッグにアイロンを当ててしまうと、アイロン焼けや変形が起こり、取り返しのつかない事態になりかねません。
アイロンのスタイリングをマスターして、ウィッグライフをもっと自由に楽しみましょう!