お気に入りのウィッグを久しぶりに使おうとしたら、髪が絡まってゴワゴワに…。
そんな経験はありませんか?
「もう捨てて、新しいものを買うしかない」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。この記事では、プロ直伝のテクニックで、ウィッグを購入したときのようなサラサラの状態に戻す方法を徹底解説します。
正しいケア方法を知って大切なウィッグを復活させ、もっとおしゃれを楽しみましょう!
ウィッグが絡まるのはなぜ?毛材が傷む3つの原因

効果的なケアを行うためには、まずは「なぜウィッグの毛材が絡まったり傷んだりするのか」を知ることが大切です。
原因が分かれば、日々の扱いやお手入れで事前に防ぐことができます。主な原因は大きく分けて3つありますので、一緒に見ていきましょう。
ウィッグが絡まる原因1:静電気と摩擦
とくに化学繊維で作られた人工毛のウィッグは、静電気を帯びやすい性質があります。
空気が乾燥する季節や場所、衣服との摩擦によって静電気が発生すると、髪の毛同士が引き寄せられて絡まりの原因になります。
とくに、ロングスタイルは肩や背中に触れる面積が広いため、摩擦の影響を受けやすくなります。
・空気の乾燥
冬はもちろん、夏の室内もエアコンで乾燥します。冬は加湿器を使ったり、ウィッグ専用の静電気防止スプレーで対策しましょう。
・マフラーや洋服との摩擦
えり足部分の毛材があたりやすくなり、摩擦で毛材が傷むことがあります。ウィッグをヘアアレンジしてまとめたり、ウィッグと衣類の間にシルクのスカーフを挟むと静電気が起きにくくなります。
・ブラッシングのしすぎ
普段のお手入れでも、静電気は発生します。ウィッグを使用する前後に、目のあらいブラシを使い、毛の流れにそってやさしくとかすようにしましょう。
ウィッグが絡まる原因2:間違った洗い方と乾かし方
ウィッグのために良かれと思ったお手入れが、実はダメージの原因になっていることも少なくありません。
人の髪と同じように扱うと、ウィッグの毛材を傷めてしまう可能性があります。以下のような行動は、ウィッグの寿命を縮める原因になるため注意が必要です。
・熱すぎるお湯で洗う
人工毛のウィッグは熱を加えてスタイリングしています。洗うときのお湯の温度が高いと、スタイルが崩れる原因になります。常温の水を使用しましょう。
・シャンプーを直接つけてゴシゴシこする
シャンプーを直接つけで泡立てようとすると、毛材をかき混ぜてしまい、絡みや摩擦の原因になります。必ず洗面台や洗面器に水を溜め、シャンプーを溶かしてからウィッグを浸し、やさしく洗いましょう。
・濡れた状態で力任せにブラッシングする
毛材が濡れているときは、毛材同士がくっついて絡みがとれにくい状態です。絡みをとるには力を入れる必要がありますが、毛材が抜けたりネットが破れるリスクがあります。
濡れた状態でブラッシングする場合は、毛材を引っ張らないようにやさしく行いましょう。
・タオルで強くこするように拭く
水分をしっかりとりたいからといって、毛材をかき混ぜたり絞ったりすると絡む原因になります。タオルドライの際は、タオルでウィッグを挟むようにして持ち、やさしく包みましょう。
自然乾燥でふんわり仕上げたい場合は、ウィッグのフロント(額)部分を持ち、半円を描くように3回程度強く振って水をきる方法もあります。
・ドライヤーの熱風を至近距離で当てる
ドライヤーが使用できる人毛100%ウィッグや耐熱ファイバーだったとしても、至近距離で熱にさらされれば毛材は傷みます。ドライヤーの使用が可能なウィッグであれば冷風に設定して、20cmほど離して使用しましょう。
ウィッグが絡まる原因3:汗・皮脂・スタイリング剤の蓄積
ウィッグを着用すると、頭皮から出る汗や皮脂がウィッグの内側のネット部分に付着します。
また、ヘアスプレーなどのスタイリング剤や空気中のホコリも、目に見えない汚れとして蓄積されていきます。
これらの汚れを放置すると、ウィッグの毛がベタついて束になり、ゴワゴワとした手触りやひどい絡まりを引き起こします。
ウィッグがサラサラではなくなる原因、絡みについて解説しました。
次のセクションでは、プロが教えるお手入れのコツをご紹介します。
参考:ウィッグの絡まりを解消!サラサラを保つケアと予防策&応急処置
ウィッグをサラサラに戻す!プロが教えるお手入れのコツ

それでは、実際に絡まってしまったウィッグをサラサラに復活させる手順をご紹介します。
驚くほど簡単なので、ぜひお試しください。
ウィッグをサラサラに戻すコツ:正しいブラッシングで絡まりをやさしくほぐす
まずはウィッグが乾いた状態で絡みをほぐしておきましょう。
濡れた髪は無理にとかすと切れ毛や縮れの原因になります。以下の手順で、やさしく丁寧にブラッシングしていきましょう。
1. 少しずつ慎重にほぐす
ウィッグのネットをしっかり持ち、まず毛先の絡まりを少しずつほぐします。絡みがひどい場合は、絡んでいる毛材のすぐ上を持ち、ネットを引っ張らないように気をつけてほぐしていきましょう。
2. 中間~毛先をブラッシング
毛先の絡みが取れたら、ウィッグの中間あたりから毛先に向かってブラッシングします。
3. 全体をブラッシング
最後に、ウィッグの根元から毛先まで、全体をやさしくブラッシングします。
ウィッグをサラサラに戻すコツ:正しい洗い方
ブラッシングが終わったら、ウィッグについた汚れを洗い流します。
ウィッグの絡みを防ぐには、毛材が重ならないように、なるべく広い洗面台や大きな洗面器で行いましょう。
1. 常温の水を溜めてシャンプー水をつくる
洗面台や洗面器などに水を溜め、ウィッグ専用シャンプーを溶かしてシャンプー水をつくります。シャンプーの量は、手に出したときに500円玉大くらいの大きさになるのが目安です。
2. ウィッグを浸してブラッシング
ウィッグを浸したらフロント部分を持ち、毛をかき混ぜないように毛流れに沿ってブラッシングします。ファンデーションや皮脂がつきやすい顔周り部分のネットは、やさしく押し洗いしましょう。
3. 水を入れ替えて溜めすすぎをする
すすぐ際は、水を入れ替えながら溜めすすぎをしましょう。シャワーなどの流水は、毛材が抜けてしまう原因になります。
ウィッグをサラサラに戻すコツ:つけ置きのやり方
シャンプーが終わったら、コンディショナーを使います。
今回はウィッグをサラサラにするつけ置き洗いの方法をご紹介します。
1. 常温の水を溜めてコンディショナー水をつくる
シャンプー時と同じように、水を溜めてウィッグ専用コンディショナーを溶かし、コンディショナー水をつくります。コンディショナーの量は、手に出したときに500円玉大くらいの大きさになるのが目安です。シャンプーよりも少し硬さがあるテクスチャなので、手でかき混ぜてよく溶かしましょう。
2. コンディショナー水にトリートメントを入れる
コンディショナー水に、ウィッグ専用トリートメントを1プッシュ入れます。トリートメントに含まれる成分が、ウィッグの繊維一本一本をコーティングし、静電気の発生を抑えサラサラな指通りの髪に仕上げます。
3. ウィッグを浸してブラッシング
ウィッグを浸したらフロント部分を持ち、毛をかき混ぜないように毛流れに沿ってブラッシングします。
4. 5分程度 つけ置きをする
ブラッシングを終えたら、そのままの状態で5分程度おきます。
ウィッグはネットに毛を植毛して作られていますが、植えられている根元は結び目になっています。水に浸した状態で長く置いておくと、毛材の結び目がほどけ、抜ける原因になります。
つけ置き時間が長ければ長いほど効果がありそうな気がしますが、「浸透させる」というより「ウィッグ全体にトリートメントを行き渡らせる時間」と考えましょう。
5. 水を入れ替えて溜めすすぎをする
つけ置きがおわったら、よくすすぎましょう。シャンプーと同じく、すすぐ際は水を入れ替えながら溜めすすぎをしましょう。
ウィッグをサラサラに戻すコツ:タオルドライと自然乾燥
最後の仕上げである乾燥も、ウィッグの美しさを左右する重要な工程です。
濡れたウィッグは非常にデリケートなので、やさしく扱いましょう。
1. タオルドライをする
清潔なタオルでウィッグをやさしく挟み、ポンポンと軽く叩くようにして水分を吸い取ります。雑巾のように絞ったり、強く擦ったりしないでください。
2. スタイルを整える
ウィッグスタンドに乗せ、ヘアスタイルを手ぐしで整えます。
3. 自然乾燥させる
直射日光を避け、風通しの良い室内で、完全に乾くまで自然乾燥させます。
ウィッグがサラサラの状態を保つためには、正しいケア方法が重要です。
ウィッグをつけ置きする際は、長時間放置しないように気をつけましょう。
ウィッグのサラサラをキープ!習慣にしたい日常のケア
ウィッグをサラサラの状態に戻したら、その美しさをできるだけ長くキープしたいですよね。
日々のちょっとした心がけで、ウィッグの美しい状態や寿命は格段に延びます。
ウィッグのサラサラをキープ:使った後のひと手間と保管のコツ

ウィッグを外したら、やさしくブラッシングしましょう。
目のあらいブラシを使い、ホコリや軽い絡まりをその日のうちにリセットすることが、ひどい絡みを防ぐ一番のポイントです。
保管する際は、ウィッグハンガーにかけてヘアスタイルを保つのが理想ですが、なければ購入時の箱でも大丈夫です。または、ペットボトルを立てて口の部分に丸めたタオルを置いた即席のウィッグスタンドを作り、スタイルの崩れを防ぎましょう。
ウィッグのサラサラをキープ:静電気を防ぐスプレー
静電気はウィッグの毛材にとって最大の敵です。
ウィッグ専用の静電気防止スプレーが最も効果的で、表面をコーティングして静電気を抑制するため、美しいツヤが出て手触りも滑らかになります。
静電気が気になる季節や、お手入れ後の仕上げに軽く吹きかけると、ウィッグの毛材が絡みにくくなります。

スヴェンソンの「フラウ ヘアルーセントスプレー」は、髪に自然なツヤを与え、キューティクルをコート。髪の毛一本一本をサラサラにし、まとまりのある髪に仕上げます。ブラッシングの際の髪のもつれをおさえ、枝毛や切れ毛を防ぎます。タバコなどのいやな二オイをつきにくくする消臭効果も。ウィッグのゴワゴワ感が気になるときにおすすめです。
ウィッグのサラサラな状態をキープするには、日頃のちょっとした習慣が大切です。
次のセクションでは、ウィッグの過度の傷みやお困りごとを解消する特別なケア方法をご紹介します。
【もしもの時に】ウィッグのトラブルを解決する集中ケア術
基本的なお手入れをしても、なかなか状態が改善しないこともあります。
「もう捨てるしかないかも」と諦める前に、とくにダメージが深刻な場合のレスキュー術を試してみましょう。
ただし、これらは最終手段ですので、必ず自己責任の上で慎重に行ってください。
【毛先のチリチリ】低温ヘアアイロンで伸ばす最終手段

熱によって毛先がチリチリに縮れてしまった場合、霧吹きなどで軽く湿らせた状態で低温のヘアアイロンを当てると、一時的に直ることがあります。
これはリスクも伴うため、以下の注意点を必ず守ってください。
・ウィッグの耐熱温度を確認
ウィッグの説明書やメーカーのサイトで耐熱温度を確認します。非耐熱ウィッグにヘアアイロンは絶対に使用しないでください。
・必ず低温で試す
人毛100%ウィッグや、耐熱ファイバーを使ったウィッグでも、ヘアアイロンを使用する場合は100℃以下の低温設定から始めます。いきなり高温の設定ではじめると、毛材が溶ける恐れがあります。
・目立たない部分でテスト
まずはウィッグの内側など、目立たない部分の毛で試してから全体に使用してください。
・素早く動かす
同じ場所にアイロンを長時間当てず、滑らせるように動かします。
【全体のパサつき】ウィッグにアウトバストリートメントやヘアオイルは使える?

ウィッグ全体のパサつきが気になる場合、人間の髪に使うアウトバストリートメントやオイルが使えないか考える方もいるでしょう。
結論から言うと、応急処置としては使えますが注意が必要です。
たとえ人毛を原材料にしていても、人の髪とウィッグの毛材は異なります。美しいツヤや耐久性をあげるための表面加工をしている場合が多く、一般のヘアケア用品では効果が十分に得られない場合があります。また、成分によっては毛材が傷んでしまったり、スタイリング剤が洗っても落ちない場合があります。
【自分ではどうにもできないとき】ウィッグ専門店に相談しよう

さまざまなケアを試しても状態が改善しない場合は、無理に続けずウィッグを購入したお店やウィッグの専門店に相談しましょう。
レディス スヴェンソンでは、ウィッグの販売だけでなくメンテナンスメニューも提供しています。ウィッグに関する知識が豊富なスタッフが、状態に合わせた最適なメンテナンスを提案。美しい状態に戻すお手伝いをさせていただきます。
自分でできるケアから、プロのメンテナンスまで、ウィッグのトラブルに対応する方法をご紹介しました。
ウィッグの毛材は、たとえ人毛100%のウィッグであっても、地毛と同じ扱いはできません。ケアに迷ったときは、レディス スヴェンソンにご相談ください。
正しいケアで、お気に入りのウィッグをもっと楽しもう
今回は、絡まってしまったウィッグをサラサラな状態に戻す方法と、その状態を長持ちさせる秘訣をご紹介しました。
ウィッグが絡まる主な原因は「静電気・摩擦」「間違ったお手入れ」「汚れの蓄積」です。トリートメントを使った「つけ置き洗い」は、ウィッグの絡みやゴワつきに効果的です。日々のブラッシングと正しい保管で、サラサラの状態を長くキープできます。
正しいお手入れ方法を知るだけで、ウィッグの美しさは甦ります。
諦めていたお気に入りのウィッグをもう一度ケアして、自信を持ってファッションを楽しんでくださいね。