愛用しているウィッグが、最近絡まりやすくなって指通りが悪い。
パサつきがひどくて、見た目も不自然になり、ウィッグを着けるのが少し憂鬱…。
そんなお悩みを抱えていませんか。
「ウィッグケアにオイルが使える」と聞いたけれど、そもそもオイルを使っても大丈夫なのか、どんな製品を選べばいいのか、迷ってしまいますよね。
この記事では、ウィッグの専門知識を持つプロの視点から、ウィッグオイルの必要性から正しい選び方、効果的な使い方まで、あなたの疑問をすべて解決します。
大切なウィッグを、美しい状態に蘇らせるケア方法を身につけて、毎日のおしゃれを心から楽しみましょう。
そもそもウィッグにオイルは必要?知らないと損する5つの効果

「ウィッグのケアに、オイルは必要なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、大切なウィッグを美しく保つために、オイルは重要な役割を果たします。
まずは、ウィッグがなぜ傷んでしまうのか、その原因から見ていきましょう。
ウィッグのパサつき・絡まりはオイルで解消できる?
ウィッグが劣化する大きな原因として、静電気と乾燥が挙げられます。
「人毛100%ウィッグ」は、人間の頭皮のように自然な皮脂で潤いを補給することができません。そのため、空気の乾燥やブラッシングによる摩擦で水分が失われやすく、乾燥してパサつきや絡まりを引き起こします。
さらにポリエステルなどの化学繊維で作られた「人工毛ウィッグ」や、人工毛が含まれた「ミックス毛ウィッグ」は、静電気を帯びやすい性質を持っています。静電気が発生すると、毛材同士が反発したり、逆に絡みついたりして、まとまりのないパサパサな状態になってしまうのです。
ウィッグにオイルを使う4つのメリット
オイルを使ってウィッグをケアすることで、以下のような多くのメリットが得られます。
● 静電気防止
毛材を一本一本をコーティングし、表面を滑らかにすることで摩擦を軽減。これにより静電気の発生を抑え絡まりを防ぎます。
● ダメージ補修・保護
紫外線や衣類との摩擦といった外部の刺激からウィッグを守る保護膜を形成します。生活のなかでウィッグに影響するダメージを軽減し、ウィッグの寿命を延ばすことにつながります。
● ツヤ出し効果
自然で健康的なツヤを与え、美しい見た目に。まとまりとツヤがある髪になり、より生き生きとした印象になります。
● スタイリング補助
毛材の絡みを防ぐため、指通りが滑らかになります。ブラッシングがスムーズになり、日々のスタイリングが格段にしやすくなります。
このように、ウィッグオイルは単なるツヤ出しやスタイリング剤ではなく、ウィッグをダメージから守り、快適な着用感を維持するためのケアグッズなのです。
次のセクションでは、ウィッグの毛材別におすすめのオイルをご紹介します。
【毛材別】ウィッグに使うオイルの正しい選び方|人毛・人工毛・ミックス毛

ウィッグオイルの効果を最大限に引き出すには、お使いのウィッグの素材に合った製品を選ぶことが重要です。
人毛、人工毛、そしてその両方を使ったミックス毛では、それぞれ適したオイルの成分が異なります。自分のウィッグの毛材を確認し、最適な一本を見つけましょう。
人毛100%ウィッグにおすすめのオイル
人毛ウィッグは、人間の髪と同じようにキューティクルがあり、油分を補わないと乾燥してしまいます。
そのため、保湿効果の高い天然由来のオイルが最適です。
●アルガンオイル
ビタミンEが豊富で、高い保湿力と補修効果が期待できます。
● 椿オイル
日本で古くから髪のケアに使われてきたオイルで、馴染みが良くしっとりとした質感とツヤを与えます。
● ホホバオイル
人間の皮脂に近い成分構造を持ち、刺激が少なく自然な潤いを与えます。
これらの成分が含まれたオイルを選ぶことで、人毛ウィッグのパサつきを抑え、自然な潤いを保つことができます。
人工毛(化学繊維)ウィッグにおすすめのオイル
ポリエステルやカネカロンといった化学繊維で作られた人工毛ウィッグは、とにかく静電気が大敵です。
油分を吸収しないため、天然オイルを付けても表面に残ってしまい、ベタつきの原因になることがあります。
そこで活躍するのが、シリコンスプレーです。
シリコンスプレーは、ウィッグの繊維一本一本の表面を滑らかにコーティングする役割を果たします。
これにより摩擦が軽減され、絡まりの最大の原因である静電気の発生を効果的に防いでくれるのです。
ミックス毛ウィッグにおすすめのオイル
人毛と人工毛の両方が使われているミックス毛は、それぞれの特性ももっているため、オイル選びが少し難しい毛材です。
人毛の乾燥を防ぎつつ、人工毛の静電気を抑える必要があります。このような場合は、両方の素材に対応できるように成分が調整された「ウィッグ専用オイル」を選ぶのが最も安全で効果的です。
保湿成分とシリコン成分がバランス良く配合されている製品なら、一本で手軽に最適なケアができます。
参考:シリコンスプレーを使ったウィッグの絡まり防止&長持ちのコツ
ウィッグオイルの代用品は?成分が似ている他のケア用品や市販のグッズ

「まずは家にあるもので試してみたい」という方も多いでしょう。
ここでは、ウィッグオイルの代用品として使えるもの、注意が必要なもの、そして絶対に使ってはいけないものを詳しく解説します。
【ウィッグオイルの代用】ウィッグ用シリコンスプレーやトリートメント
ウィッグオイルに使用感が似ていて最もおすすめできる代用品は「シリコンスプレー」です。
主成分がシリコンであり、ウィッグの静電気防止とツヤ出しに効果的です。ただし、つけすぎるとツヤが目立ったり、髪がまとまりすぎてベタつくことがあるため、少量ずつ試すようにしましょう。

「フラウ ヘアルーセントスプレー」は、ウィッグ用のシリコンスプレーです。
毛材のキューティクルをコートして、ツヤとまとまりのある髪に仕上げます。テクスチャも軽く噴射が細かいため、スプレーにありがちなつけすぎを防止する工夫がされています。

また、ウィッグ専用の洗い流さないトリートメントも、オイルの代わりとして使えます。
スクワランオイル配合で、オイル単体と比べると少し軽い着け心地ですが、日常的な絡まり防止には十分役立ちます。
【ウィッグオイルの代用】人間のヘアオイル
多くの方が気になるのが、普段使っているヘアオイルが使えるかどうかでしょう。
これは「人毛100%ウィッグに、ごく少量使う」場合に限り、条件付きでOKと言えます。
ただし、人工毛が含まれるウィッグに使用すると油分が浸透せず、表面で酸化してベタつきやニオイの原因になるため避けてください。
人毛ウィッグに使う場合も、酸化しにくい安定したオイルを選び、毛先だけに馴染ませる程度に留めましょう。つけすぎは禁物です。
【絶対NG】避けるべきヘアグッズとウィッグを傷める理由
良かれと思ったウィッグケアが、逆に毛材を傷めてしまうこともあります。
とくに以下のアイテムは絶対に使用しないでください。
● ヘアワックス、ムース
市販のヘアワックスやムースは油分が多く、空気中のホコリや汚れを吸着してしまいます。蓄積するとウィッグを洗っても完全に落ちず、ベタつきや悪臭の原因となります。成分を選べば使用できるものもありますので、ウィッグ専門店に相談しましょう。
● ラメ入りのヘアスプレー
結婚式への参列やイベントなどで華やかに煌めくラメスプレー。ラメを付着させる成分が強く、たとえシャンプーでラメが落ちたとしても、ウィッグの毛材に白い斑点が残る場合があります。
● 香水、ヘアコロン
多くの製品に含まれるアルコール成分が、ウィッグの化学繊維を傷めたり、変色させたりする危険性があります。
大切なウィッグを守るためにも、これらの使用は避けましょう。
次のセクションでは、オイルの使い方についてご紹介します。
参考:シリコンスプレーを使ったウィッグの絡まり防止&長持ちのコツ
参考:初心者でも安心!ウィッグの必要なものガイド|シーン別の便利グッズと正しい使い方
効果が激変!ウィッグオイルの正しい使い方と失敗しない3つのコツ

せっかく良いオイルを選んでも、使い方が間違っていると効果は半減してしまうどころか、ベタつきの原因になってしまうことも。
ここでは、誰でもかんたんに実践できる「オイルの正しい使い方」を3つのステップでご紹介します。
ウィッグオイルの使い方1:使用前にブラッシングして絡みを解消
まず、オイルをつける前に、ウィッグの表面についたホコリを払い、毛の絡みをやさしくほぐします。
オイルをつける前にウィッグの状態を整えておくことで、オイルが均一に行き渡りやすくなります。ブラッシングは、静電気の起きにくい樹脂製や金属製のブラシを使い、毛先~根元の順で少しずつ梳かしていくのがポイントです。
ウィッグオイルの使い方2:適量を手に取り毛先につける
次に、少量のオイルを手に取ります。
失敗しないための最大のコツは「少量から始める」ことです。
ショートウィッグなら1プッシュ、ロングウィッグでも2〜3プッシュで十分です。
オイルを両手で擦り合わせ、手のひら~指の間まで全体に薄く伸ばします。ウィッグの内側に手を差し入れるようにして全体に塗布し、最も傷みやすい毛先にやさしく揉みこみましょう。
オイルを根元(ウィッグネット側)に多く塗布してしまうと、ペタッとしてボリュームがなくなってしまうので、頭頂部の根元にはつけないように注意してください。
ウィッグオイルの使い方3:内側からも馴染ませて仕上げる
ウィッグの表面だけでなく、えり足付近などの摩擦で絡まりやすい内側の毛にも、オイルをやさしく揉みこみましょう。
手に残ったオイルで、手ぐしを通すように馴染ませます。上から撫でつけるとボリューム感が損なわれるので注意しましょう。
最後に、目の粗いブラシで全体のスタイルを整えれば完成です。
ウィッグのスタイルに合わせて、オイルのつけ方や使用方法をウィッグスタイリストに聞くのもおすすめです。
次のセクションでは、オイルやスタイリング剤の 選び方をご紹介します。
ウィッグのオイルに関するよくある質問(Q&A)
最後に、ウィッグオイルに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
細かい不安もここで解消しておきましょう。
Q. ウィッグにオイルをつけすぎてベタベタになったときの対処法は?
万が一、ウィッグにオイルつけすぎてしまった場合は、ぬるま湯でオイルを洗い流し、シャンプーとコンディショナーをして、状態をリセットするのが最も確実です。
時間がないときの応急処置としては、常温の水で濡らしたタオルを絞り、拭いて乾かしましょう。
Q. オイルをウィッグケアに使う頻度はどれくらいが最適?
ブラッシングをしていて、絡まりが気になったタイミングが目安です。
または、10日に1回程度のシャンプーをした際、乾かす前に使うのも効果的です。毎回つける必要はなく、パサつきや絡まりが気になったタイミングでケアしてあげるのが良いでしょう。
Q. ヘアアイロンの前にオイルを使っても大丈夫?
人毛100%ウィッグや、耐熱毛材を使用したウィッグであれば、ヘアアイロンの前にオイルを使用するのは効果的です。
「ヒートプロテクト」と呼ばれるヘアケア用品には、オイルが含まれる製品もあります。アイロンやドライヤーを使用する前に塗布すると、オイルが保護膜となり、熱によるダメージを軽減してくれます。
「ヒートプロテクト」ではないオイルは、アイロンなどのスタイリングが終わってから仕上げに使用しましょう。
ウィッグにオイルを使って、大切なウィッグをさらに美しく
この記事ではオイルの必要性から、毛材に合わせた選び方、正しい使い方、そしておすすめの製品までを網羅的に解説しました。
大切なのは、あなたのウィッグの素材を理解し、それに合ったオイルを「適量」で「正しく」使うことです。
ウィッグケアにオイルを使用すると、ウィッグの絡まりやパサつきを防ぎ、見た目の美しさを保つだけでなく、ウィッグそのものの寿命を延ばすことにも繋がります。
オイルを使いこなして、ウィッグをさらに美しく快適に楽しんでください。