「おでかけ中にウィッグがズレたらどうしよう」「風が強い日は、ウィッグが取れないか心配で外出が怖い」ウィッグをお使いの方なら、一度はこんな不安を感じたことがあるのではないでしょうか。
せっかくのおしゃれも、ウィッグのズレを気にしていては心から楽しめません。
この記事では、そんなウィッグの「固定」に関するお悩みを解決するため、プロの視点からあらゆる方法を徹底解説します。
あなたにぴったりの固定方法を見つけて、一日中ズレを気にせず、自信を持って過ごせるようになりましょう。
なぜウィッグは固定されないの?考えられる3つの原因

対策を立てる前に、まずはウィッグがズレてしまう根本的な原因を知ることが大切です。
主な原因は、大きく分けて3つ考えられます。
ご自身の状況と照らし合わせながら、確認してみましょう。
ウィッグが固定されない原因①ウィッグサイズの不一致
ご自身の頭のサイズとウィッグのサイズが合っていないと、隙間ができてズレたり取れやすくなります。
ウィッグが大きすぎると、頭頂部や側頭部(サイド)に余分な空間ができてしまい、不自然に膨らんで見えます。逆にウィッグが小さすぎる場合も、頭全体をしっかりと覆うことができず、上にずりあがってきてしまいます。
解決策としてはサイズを自分の頭ぴったりにサイズを調整することです。
ウィッグを自身の頭のサイズにしっかり合わせるには、手縫いのサイズ調整が最適です。手縫いのサイズ調整は、ウィッグ専門店のサービスです。頭の形を細かく測り、凹凸にピッタリ沿うように細部まで調整できます。
ウィッグのなかには、アジャスターが付いているものもあります。自分でサイズを調整できますが、アジャスターは頭囲にしか付いていないため、頭頂部付近は調整できず、頭が大きく見えてしまう可能性があります。
参考:ウィッグが浮くのはなぜ?プロが教える!原因と自然な着け方
ウィッグが固定されない原因②地毛が上手くまとめられていない
地毛が均等にまとめられていないと、ウィッグ内部で凹凸ができ、フィット感が損なわれてしまいます。
ウィッグ初心者の方が、ウィッグのつけ方で最初に戸惑うのが、ネットなどを使用して地毛をまとめる工程です。ウィッグのヘアスタイルが完成されていても、地毛のまとめ方が雑になっていると、ヘアスタイルや自然さに影響するだけでなくズレやすくなります。
解決策としては、地毛をまとめるときに、なるべく平らになるようにすることです。
地毛の長い方は、三つ編みやお団子にしてピンで固定すると良いでしょう。短い髪の方も、耳にかけるなどして顔周りの髪をすっきりさせてください。地毛をまとめたあとは、インナーキャップやネットなどを使用し、地毛がウィッグの外に出ないようになかに収めましょう。
参考:ウィッグのキャップは必要?インナーキャップの役割と付け方を解説
ウィッグが固定されない原因③ウィッグの着け方が間違っている
ウィッグ初心者でよくありがちなのが、つける位置が間違っていることです。
前がかりにかぶりすぎて顔周りの髪が厚くなってしまったり、左右のバランスが整っていないとヘアスタイルが崩れてしまう場合があります。
つける位置が間違っていると、ウィッグはきちんと固定されません。
ウィッグがズレると感じる方は、正しい位置につけられているか、ストッパーがしっかり留まっているかを確認しましょう。
ウィッグを正しくつけるには、もみあげの上あたりを両手で持ち、額に合わせるようにかぶります。
持つ場所をもみあげの前から後ろ、えり足へと移動し、徐々にかぶり心地を深めていきましょう。インナーキャップとストッパーの位置が合ったらストッパーを留めます。やさしくウィッグ全体を持って、後ろにずらすように位置を整えます。
参考:ウィッグのつけ方|基本的なかぶり方と重要ポイントを解説
ウィッグが固定されない原因は、一つだけでなく複数が組み合わさっていることも少なくありません。
ウィッグを固定したいからとズレ防止アイテムを検討するだけでなく、ウィッグを装着する前の下準備を見直すことも、ズレを防ぐための重要な第一歩です。
次のセクションでは、これらの原因を踏まえた上で、具体的なウィッグを固定するアイテムをご紹介します。
【基本の5タイプ】ウィッグ固定アイテムの種類と正しい使い方
ウィッグを固定するためのアイテムには、さまざまな種類があります。
ここでは、代表的な4つのアイテムについて、それぞれの特徴や正しい使い方をご紹介します。各アイテムのメリット・デメリットを理解し、ご自身の目的やライフスタイルに合ったものを見つけましょう。
ウィッグを固定するアイテム①クリップ(ピン)

ウィッグの内側にあらかじめ縫い付けられていることも多い、もっとも基本的な固定アイテムです。
インナーキャップ(ネット)や地毛を挟み、上から押してパチンと留めるだけで、操作もかんたん。ウィッグ初心者の方にとくにおすすめです。
メリットは使い方が簡単で手軽なこと。
ウィッグを購入後であっても、ウィッグ専門店に持ち込めば、ズレやすいと感じる位置にクリップを増やすこともできます。クリップ自体も安価で入手しやすいため、ウィッグの扱いに慣れた方は自分で クリップを縫いつける方もいます。
デメリットは、クリップで地毛を挟むと引っ張られること。
地毛が短すぎる場合や、インナーキャップの形状によっては挟まりにくい場合があります。一般的にウィッグのクリップは金属製が多く、長時間ウィッグをつけていると傷みを感じる場合があります。
【ウィッグ用クリップのつけ方のコツ】
地毛を平らにまとめてインナーキャップに収めたあと、クリップを開いた状態でウィッグをかぶり、位置を調整します。
クリップの付いている位置にもよりますが、前髪部分のクリップをネットのフチに差し込み、上から押してパチンと音がでるまでしっかりと留めます。前髪部分以外は、ウィッグネットや地毛をすくい上げるようにして固定すると安定感が増します。
ウィッグを固定するアイテム②ポンキャッチ

ウィッグの金具は金属製が多く、ものによっては空港の金属探知機に反応してしまったり、病院などでは医療機器に影響するためウィッグごと外さなければならないことも。
また、ウィッグを長期間利用していると金属が地肌に当たって痛んだり、ストレスになることもあり、ウィッグユーザーから改善の声が挙がっていました。
レディス スヴェンソンでは、従来の金具ではなくポリエステル素材で作られた「ポンキャッチ」というストッパーがあります。
頭の上にウィッグを乗せると「ポンキャッチ」が地毛に絡んでウィッグを固定。地毛になじみやすく、引っ張られる痛みもありません。何より装着がかんたんで、初心者の方にも人気です。
新発想の固定アイテム「ポンキャッチ」は、ウィッグの大きさや形に応じて装着可能。ウィッグ購入時はもちろん、購入後であっても従来の金属製ストッパーを「ポンキャッチ」に変更することもできます。
ウィッグを固定するアイテム④ウィッグバンド

ウィッグの締め付け感が苦手な方や、地毛が短くクリップが使えない方におすすめなのがウィッグバンドです。
カチューシャのように頭に装着し、バンドの摩擦力でウィッグのズレを防ぎます。薄手でウィッグのスタイルに影響しにくく、前髪部分は肌色のメッシュになっているので地肌に馴染みます。
メリットはインナーキャップの上から着脱するだけでかんたんにつけられること。
締め付け感が調整でき、頭が痛くなりにくい特徴があります。地毛の有無に関わらず使用でき、肌に直接触れないので地肌が弱い人にも安心です。
デメリットは、固定力がそれほど強くなく、激しい動きには向かないこと。薄手といってもインナーキャップの上からつけるので、蒸れが気になる季節は向きません。
参考:ウィッグFitバンド
ウィッグを固定するアイテム④両面テープ

ピンだけでは心許ないという方におすすめなのが、ウィッグ専用の両面テープです。
肌に直接貼りつけることで、ウィッグのフチが浮くのを防ぎ、より強力に固定できます。インナーキャップの上からはもちろん、ウィッグ用のテープは肌にも直接貼ることができます。医療用として開発された肌にやさしい素材のものもあり、日常使いから軽い運動まで幅広く対応できます。
メリットはズレやすい生え際などをピンポイントで固定できること。
インナーキャップの上からテープを貼れば、地毛を傷めずにウィッグを固定することができます。地毛がない場合は直接肌に貼ることも可能です。
デメリットは、汗や皮脂で粘着力が弱まること。
肌に貼る場合は、かぶれる場合があるので注意が必要です。また、繰り返し使うことができないので、毎日交換する必要があります。
【ウィッグ用両面テープのつけ方のコツ】
テープを貼る部分の皮脂や汗を、アルコールを含んだコットンなどで拭き取ります。テープを適度な長さにカットし、ウィッグの内側に貼り付けます。ウィッグをかぶり、位置を決めたら、テープの剥離紙を剥がしてしっかりと圧着させます。
ウィッグをはずす際は、専用のリムーバーを使いましょう。
ウィッグを固定するアイテム⑤ウィッグ用接着剤(グルー)

絶対にズレてほしくない、激しい動きをするスポーツやコスプレなどのイベントシーンで活躍するのがウィッグ用接着剤(グルー)です。
水や汗にも強いウォータープルーフタイプが多く、最強の固定力を誇りますが、肌への負担も大きいため、使用には注意が必要です。
メリットは水や汗に強く、固定力が強いこと。
激しい運動や長時間のイベントでも安心です。透明なタイプは、生え際を自然に見せることもできます。
デメリットは、肌への負担が大きく、かぶれやすい特徴があります。ウィッグの着脱に手間と時間がかかり、はずす際には専用のリムーバーが必要になります。
【ウィッグ用接着剤のつけ方のコツ】
頭皮に使用する前に、必ずパッチテストを行いましょう。使用する24時間以上前に、腕の内側など目立たない場所に少量をつけ、皮膚に異常がないか確認します。
接着剤はなるべく薄く、均一に塗るのがコツです。ウィッグをはずす際は、無理に剥がさず、専用のリムーバーを使ってやさしく溶かすように落としましょう。
ウィッグを固定するアイテムは、一つずつの使用はもちろん、ウィッグバンドを装着した上からウィッグをかぶり、クリップで固定するなど、合わせ技もおすすめです。状況に応じて使いこなしましょう。また、メーカーによって固定アイテムの取り扱いは異なります。ズレが心配な方は、ウィッグ専門店にご相談しましょう。
【シーン別】もう迷わない!最適なウィッグ固定方法の選び方
ウィッグを固定するアイテムの種類がわかったところで、次は「どんな時に、どのアイテムが最適か」を見ていきましょう。
ご自身がウィッグを着用するシーンを想像しながら、最適な組み合わせを見つけてください。
ウィッグの固定方法:普段使いの場合

毎日のおしゃれでウィッグを使う場合は、何よりも快適さが重要です。
仕事や外出など長時間ウィッグを着用する場合は締め付けによる痛みや、蒸れに気をつけましょう。基本的にはウィッグのサイズが合っているか確認したうえで、「クリップ」のみ、または「ウィッグバンド」のみでも十分ウィッグを固定できます。
ウィッグの固定方法:激しいスポーツやダンスなどの場合

スポーツやパフォーマンスに集中したいときは、固定力を最優先します。
ご紹介したウィッグを固定するアイテムを組み合わせ、激しい動きでもズレない鉄壁の固定を目指しましょう。
たとえば、滑り止めの「ウィッグバンド」を装着し、ウィッグをかぶって「クリップ」を留めます。クリップも、こめかみやもみあげ、えり足など複数個所にあると安心です。
参考:ウィッグFitバンド
ウィッグの固定方法:強風や乗り物に乗る場合

風が強い日や乗り物に乗るシーンでは、いつもの固定方法に一手間加えましょう。
「クリップ」の数を2〜3本増やし、風を受けやすい前髪やえり足部分を重点的に留めるのが効果的です。
また、帽子やヘアバンドをウィッグの上から着けることで、物理的にウィッグを押さえることができ、見た目もおしゃれに決まります。
ウィッグを固定する方法をシーン別にご紹介しました。
次のセクションでは、普段のお手入れのシーンでウィッグを固定する方法をご紹介します。
ウィッグの保管やセットに便利!マネキンにしっかり固定する方法
ウィッグのスタイリングや、ヘアアレンジする際にマネキン(ウィッグスタンド)に固定すると、安定感が増して作業しやすくなります。
ウィッグのスタイリングやヘアアレンジする際はしっかり固定する
作業中にずり落ちてしまわないように、以下のポイントを押さえてしっかりと固定しましょう。
● 使用するもの
ウィッグを乗せるマネキン(針が刺さるもの)、Tピンやまち針を用意します。
マネキンによっては、プラスチック製など針が刺さらない素材もありますので注意しましょう。針はネットを傷つけるリスクがあるので、太すぎず、しならない針がおすすめです。
● 針を刺す場所
フルウィッグの場合、両側のもみあげ、えり足など、4箇所ほど刺すとウィッグが安定します。前髪部分のレースフロントや、つむじ部分の人工皮膚など、デリケートな素材の部分にはピンを刺さないように注意してください。
● 針を刺すときのコツ
ピンは垂直ではなく、少し内側(マネキンの中心方向)に向けて斜めに刺すと抜けにくくなります。ピンが半分以上隠れるくらい、しっかりと深くまで刺し込みましょう。
ウィッグを固定するひと手間で、ブラッシングやヘアアイロンでのセットが格段にしやすくなります。
ウィッグの固定に関するQ&A

最後に、ウィッグの固定に関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. ピンで留めると痛いのですが、どうすればいいですか?
いくつか対策があります。ご自身に合う方法を試してみてください。
クリップが地肌に触れて痛みを感じる場合は、クリップの位置を変えるのがおすすめです。同じ場所に当たることを減らし、圧迫される負担を分散します。
挟んでいる地毛が引っ張られて気になる場合は、クリップをはずし、ウィッグバンドや他の方法を使用しましょう。
Q. ウィッグを固定することで、頭皮や地毛にダメージはありませんか?
間違った方法で長期間ウィッグを固定すると、牽引性脱毛症や頭皮の炎症を引き起こす可能性があります。
これを防ぐためには、できるだけピンの位置を変える、帰宅後はすぐにウィッグを外して頭皮や地毛をを休ませる、頭皮の保湿ケアを行うなどの対策が重要です。
Q. 100円ショップのグッズで固定できますか?
100円ショップでも、ウィッグを着用するときの「クリップ」や「まち針」が手に入ります。
ただし、頭皮や肌に直接触れるウィッグ用両面テープなどは、かぶれるリスクを考慮し、ウィッグ専用か医療用のものを選ぶことを強くおすすめします。迷った場合は、ウィッグ専門店に相談しましょう。
まとめ:自分にぴったりの固定方法で、ウィッグライフをもっと快適に!
この記事では、ウィッグがズレる原因から、さまざまな固定アイテムの使い方までを詳しく解説しました。
ウィッグの固定方法は一つではありません。
大切なのは、ご自身のライフスタイルや体質、その日の予定に合わせて、最適なアイテムと方法を賢く使い分けることです。
この記事を参考に、あなたにぴったりの「ズレない」固定方法を見つけてください。
ウィッグのズレを気にすることなく、自信を持っておしゃれを楽しみ、あなたの毎日がより一層輝くことを願っています。